まちなかのプライベート感とは?
幹線道路沿いに位置するこちらの土地はご夫婦で気に入られての購入でしたが、交通量も多いこの道路に対して、なるべく静かに日々を過ごしてもらえるように提案させていただいたのがこちらの住宅です。
敷地をあえて「分断」するように住宅とガレージを配置し、道路面ではなく裏側にリビングとメインのお庭を配置することにより、利便性の良い立地を活用しつつプライバシーに配慮したリビングと庭を楽しめるようになりました。
とても明るくて気さくなご夫婦ですが、お二人ともに、はなかなかハードなお仕事のご様子でしたので、休日は自宅でゆっくりとくつろいで頂きたいと考えました。
思えばこのタイプの配置も今までに何度か手がけさせていただきましたが、プライベート空間を誰にも煩わされたくないとお考えのお客様にはピッタリのプランです。
今回はビルトインガレージがありますので、それを空間のコントロールに上手に活かす提案をさせていただきました。詳しくは後述いたします。
あえて分断して自由とプライバシーを
1階
道路面の窓は最小限にとどめ、デザインとプライバシーに配慮。反面、建物の裏側には綺麗なお庭が一望できる大開口サッシを配置させていただきました。
形の良い大きなリビングと相まって、外観の印象とは裏腹の開放的な大空間を楽しめます。こちらの玄関には機能的な土間収納もある上に、アイランドキッチン横にはしっかりとパントリーも用意させていただきました。
そして冒頭でお話させていただいたガレージの活用ですが、珍しい提案として前後のダブルシャッターが挙げられます。もちろん道路側のシャッターだけを開けると通常のガレージとして使えます。同時に後ろのシャッターも開け放てば、庭と道路面が一直線上の空間となり、開放的に使うことも可能です。
普段はプライバシーに配慮したリビングとお庭でも、人が集まるときなどは開け放てば一気に開放感のある空間に早変わりです。
そして前のシャッターだけを閉じると庭から見るとガレージが東屋のように活用できるのです。
天候がちょっと不安な時期のBBQや炎天下でのお子様のプール遊びなどは、日陰と雨よけ両方の用途に活躍してくれることでしょう。
時間軸を考えたゆとりある暮らし
2階
今回の建物は大きさに幾分余裕がありますから、二階もおおらかに過ごしていただけると思います。
吹き抜けに面した階段の横にはちょっとしたニッチスペースもあえて設けさせていただきました。
こうした余白が生むゆとりは大きさに余裕のある建物の場合はとても有効です。
この「隙間」に観葉植物などを密集させる方が多いようですが、ちょっとした読書コーナーとしても活躍してくれそうです。
今の所、ご夫婦だけの暮らしとのことでしたので、寝室のみ設けさせていただき、あとは後日子供部屋として仕切れるように設計したホールになっていますので、しばらくはプライベートなセカンドリビングとして活躍してくれることでしょう。
そして今回はウォークインタイプのクローゼットではなく、あえて通常の収納を配置させていただきました。
実は通常の収納のほうが歩くスペースを無駄にしない分、収納効率が良いということもありますので収納計画を考える際の参考にしていただければと思います。
そもそも「住宅は日々の暮らしを彩ってくれる道具である」と考えるBROOKですから、徹底的に活用価値を高めるようなご提案をいつも心がけています。
それは単に実用上の使い勝手や動線の話だけではありません。その家でいかに楽しい時間をすごせるか?ここに重点をおいた設計との両立を図りたいとの考えからご提案差し上げています。
今回のお家では庭と住居部分の連携がポイントになると思いますが、フレキシブルに使いこなしていただけたら幸いです。