今回はスクエアなフォルムがより強調された真白いガレージハウスのご紹介です。
ご夫婦ですからある程度、価値観や趣味嗜好は共通点がある場合が多いかと思いますが、こちらのご夫婦の価値観のシンクロ率の高さは特筆に値するほど。終始、楽しくお話をさせていただきました。
そのようなご夫婦が趣味や将来性も加味しつつ建築したBROOKをご紹介いたします。
外観
今回は人気の高いガレージハウスとして計画をスタートさせていただきました。ラインを揃え、白無垢のように整えられた塗り壁と、スクエアなフォルムを強調するかのように配された設計ライン。
玄関庇を兼ねるオーバーハングとガレージ上部のラインは特に水平基調を重視したアライメントになっており、この建物の端正さを際立たせています。
ガレージ
まずはガレージのご紹介から。お二人の共通の趣味でもあるアウトドアでのアクティビティ、とりわけ釣りにご執心とのことで、ガレージには釣り道具が機能的に美しくレイアウトされており、実際そこでお二人で過ごすことも多いとか。お二人とも沖に出ての船釣りも楽しまれるということで、今回はガレージ内に大きな魚を捌くためのシンクを設置いたしました。
そしてこの家には、実はもうひとつの工夫もあるのです。今は見えないながらも、とても重要な工夫です。それには将来どちらかのご両親と同居の可能性も捨てきれないという事情があったのです。
そこで、このガレージは将来、間仕切りをすれば居室とバスルームを増設できるような設計を施してあるのです。この工夫のおかげで何も諦めずに将来の問題点もしっかりとクリアされています。
1階
続いては玄関からリビングのご紹介です。大きく取った玄関土間はお気に入りのガレージを見渡せるように大きなガラス窓と、ガレージへのアクセスのための、こちらもガラスのサッシ戸をはめ込んであります。
リビングはオーソドックスな横配置のアイランドキッチンを採用し、大きなガラス窓越しに外を見渡せる軽快な仕上がりのキッチンに。リビングゾーンの形も凸凹のないきれいな長方形にまとめてあります。
そして1階全体の印象を引き締めてくれる存在感抜群でありながら抜け感もある鉄骨階段、あえて窓ガラス側に設置することで外からの見え方の演出に一役買ってくれています。
2階
窓際の階段を上ったところには丁度良い大きさのホールと、将来の子供部屋になる個室。当面はファミリークローゼットか趣味部屋として使うために予め一つ用意。隣接するバスルームは2階の中心に配置されていますから、どのお部屋からのアクセスも良好です。
寝室はしっかりとした広さも確保されながらも、あえてウォークインクローゼットは設けずに家具で仕切りと棚を兼ねるという選択です。この収納方式のメリットは家具として設置されているゆえに可変性に富むことです。部屋の中で収納と居室部分の割合を変えるのも簡単ですし、場合によっては他の部屋で使うこともできるのです。
今回の計画は、楽しい趣味の部分を精一杯満喫できる工夫と、より現実的な問題を解決させるための工夫をバランスさせることができたように思います。様々な将来の心配や事情を抱えながらの住宅計画では、楽しさを犠牲にしなければならないものと決めつけるのは早計といえるかもしれません。
今回のように工夫次第で両立することが出来ることもあります。そんなヒントを頂いた今回の計画、お施主様も将来の心配をすることなく、毎日を楽しく過ごされているようです。