
古くからの商店街の趣を残す通りに面した比較的コンパクトな住宅です。
古い商店街に多くありがちな間口が細めの敷地や、旧市街と言ってもそれなりに交通量のある通りということもあり、静かに暮らすための配慮から建物は前面の通りからなるべく奥に配置するように、また、デザインは細長くなってもきれいに収まるように工夫をさせていただきました。
実際に外から見える部分はファサードだけといった立地ですがスッキリとした印象にまとめることができました。
1階
間仕切りや土間の建具などのない玄関のほうが、より開放感を演出してくれるのは事実ですが、来客時に家の中を見られたくないと感じることもあることと思います。
BROOKで最近人気なのが、この倉敷帆布の重めのカーテンで必要に応じて目隠しをするというアイディアです。




これならば開け放てば開放感はそのままに必要に応じて視線を遮ることが可能です。

敷地の制約から大きな空間が取りにくいこともあり、1階はダイニングキッチンとバスルームがメインとなっています。


キッチンの背面にはあえて洗面化粧台を一体化させたオリジナルのキャビネットを設えてあります。





これはキッチンにつながるバスルームへの配慮からです。


加えて個室が1階にありますので日々の暮らしは平屋のようにワンフロアで完結します。

これは平屋に通ずる魅力とも言える点だと思います。

コンパクトな家ほど開放的な視線の抜けが重要ですから、あえて無駄と思われがちな吹き抜けを作り、開放感を得られるように設計させていただきました。

2階
2階はホールがメインですので食事の後に2階でゆっくりくつろぐような用途にもぴったりです。



1階にはすべての生活が成り立つ要素が詰まっていますので、この2階は生活感を出さずに寛ぐことができそうです。




上下階でメリハリの効いた印象です。


こちらの敷地は都会ならば普通の大きさの土地ですが、秋田では狭小地と呼ばれるサイズ感ですから建築への空間的な制約も多くなります。
このため取捨選択をお客様とともに考え、最適解を導くのが私達の仕事です。
今回は決して大きくはないサイズ感に絶妙なバランス感で、それぞれの織りなす要素に配慮しつつ、上手くまとめることができたと思います。
必ずしもサイズは大きくなくても高い満足感が得られるように工夫させていただきましたので末永くご愛用いただければ幸いです。