BROOKと平屋

最近、BROOKにお問い合わせいただく内容で平屋についてのご質問が増えています。
少し前までは平屋といえば子どもたちが巣立った後に年配のご夫婦が終の棲家として検討したり、土地が十分に確保できる郊外での作業小屋と一体になった農家住宅のようなケースが多かったのですが、最近は子育て世代からのお問い合わせも多くいただくようになりました。
この機会に、ご質問が多くなってきた平屋についてBROOKの考えるところをお話したいと思います。

平屋の魅力とその特徴

平屋の魅力のひとつに広がりのある、低く構えた安定感のあるデザインが挙げられます。日本の住宅は欧米のそれに比べて、おしなべて小さいと言われますが、今の日本で、特に土地の狭い都市部で住宅を建築する場合、効率を考えるとどうしても二階建てにしなければ、しっかりとした居住スペースを確保することが難しくなります。
もし、予算と土地に制約がなく、いわゆる豪邸を建てられるならば二階建てでも横方向の広がりもありますから、デザインも伸びやかにできるのですが、一般的な予算感での土地と住宅のサイズで住宅を検討する場合どうしても背の高いデザインにならざるを得ません。

この点、平屋ならば比較的小さな家でも横方向に広がる伸びやかなデザインが可能になります。もう一つの人気の理由は本能的に地面に寝たい、地面に近いところで生活したいという気持ちもあるかもしれません。有史以来、長きに渡り地面に近いところで生活してきた私達人類が、本能的に好ましく感じるのは平屋建ての家なのかもしれません。

  • 広大な土地にゆったりと佇む美しい平屋
  • 横方向に伸びやかかつ、クールなデザイン

ここでお話した魅力と特徴が言い換えればデメリットという形で現れているのもまた平屋建てです。つまり、平屋建てを実現するためには少し大きめの土地を用意する必要があり、且つ、建物の床面積も二階建に比べると大きくせざるを得ません。同じ延床面積で同じ仕様の二階建てと平屋建てをコストで比較した場合はどうしても高くついてしまうのです。 確かに数字だけで比較した場合、コスト面ではデメリットだらけの平屋ですが、それでも前述の魅力は少しも色褪せることがありません。BROOKではいつも住宅計画のスタートに際して、一番はじめにお客様と一緒に無理のない資金計画を組んでから具体的なお話を進めさせて頂きます。

コストや効率などの理屈だけを満たせば良い家になるわけではないと私達は考えていますから、もし、平屋建ての住宅がお好みなら、しっかりと資金計画を吟味し、無理なく自分たちが本当に住みたいと思える平屋を実現できるかもしれません。

  • 仕切らない場合は奥行きの伸びやかな開放感のあるリビングに
  • 仕切ることで、程よい空間のメリハリを
  • 集約されたスムースな生活動線
  • もちろん総二階と同じく、平屋でも子供部屋を想定したつくりに

BROOKとしての平屋のデザイン

多少のデメリットを乗り越えて、せっかく平屋を建てるのであればその特徴である伸びやかな横方向の広がりを意識したデザインをまずは大切にしたいと考えています。
そのためには、連続性のある見え方や窓の配置、素材の統一感、あるいは違素材間のコントラストという部分を吟味しながら形作ってゆくのです。
もちろん単にデザインだけを意識しすぎず、道具としての家として、日々暮らす上で使い勝手の部分や、そして存分に暮らしを楽しめるか?といったところも含めてバランスを考えてゆきます。
これらを繰り返し検討し、デザインに偏りすぎない住宅としてのベストポイントを探すプロセスを経てBROOKの平屋のデザインは完成されてゆくのです。

  • 平屋ならではのシンプルなファサード
  • シンメトリーに赤いポストが映えるファサード
  • 同系色のパネリングがアクセントなファサード
  • ポストのチョイスも光るクールなファサード

平屋デザインの事例紹介

美しい平屋

BROOK設立のごく初期の頃にお手伝いさせていただいた住宅ですが、お施主様のライフスタイルがミニマル志向でしたから、決して大きくないこの平屋でとても美しく暮らせれています。
まさにモノを減らしてスッキリ暮らす見本のようなスタイルです。切妻屋根のシンプルなデザインは広大な敷地に、あえてぽつんと建つ様がとても非凡で素敵な印象を与えてくれます。

シンメトリーな平屋

先程の平屋の見学会に起こしいただいたご縁で計画がスタート。当初より、明確なデザインコンセプトをお持ちのお客様でした。
BROOKとしてもこの建物で大切にしたデザインコンセプトはシンメトリーなデザイン。こちらも比較的初期の頃の建物ですが、未だに根強い人気を誇っています。
一見、少しかわいいデザインですが、デコレーションを廃し、あくまでもシンプルに仕上げることで、甘くなりすぎないベストバランスに落ち着いたと感じています。
お施主様は海外の住宅を見て歩くのが趣味だということもあり、ご自身の求めるものが明確だったからこそ実現した完成度の高い建物です。

個性的な平屋

積雪の多い地域での建築になりましたので、落雪側の外壁はあえてガルバリウム鋼板を採用することで、耐久性をより高めてあります。
異素材の組み合わせによりデザイン上のアクセントにもなるこの手法は積雪の多い地域での定番になりました。
クールになりがちなボクシーなデザインをデザインの柱に据えましたが、ブラウンの塗り壁から落ち着いた柔らかな印象と、変形の土地を生かしたプランニングにより個性的な一面をのぞかせます。
しっかりと吟味した外構計画とあいまってバランスに優れた建物になったのではないでしょうか。

クールな平屋

同じボクシーなデザインの建物ながら、先のブラウンの外壁の家とはうって変わり、黒一色の塗り壁仕上げの徹底的に均整の取れたクールな印象が際立つ建物です。
こちらもやはり外構の重要性を意識させてくれる建物です。
外観のコンセプトを壊さないように設計されたお庭は建物を更に引き立ててくれるものです。インスタでの人気も絶大です。

平屋と外構(ビフォーアフター)

  • 外構ビフォー
  • 外構アフター

この通り、一目瞭然です。BROOKでは計画の初期段階から外構も重要な要素として考えていますから、けっしておろそかにはいたしません。特に平屋の場合、伸びやかな横方向のデザインを引き立てるような外構デザインをお願いしています。
これは、コンパクトハウス全般に共通する暮らしのコツと言えるかもしれませんが、とにかくモノを少なくミニマルに暮らすということも大事なポイントです。
これは平屋に限ったことではありませんが、比較的コンパクトな家をあえて選択し、その限られた空間に置く家具や道具類を徹底的に吟味して極力モノを減らす。そこで予算を抑え、その分を日々の楽しさを充実させるところ(食事や旅行、趣味等)に使ってゆくライフスタイルのお客様もBROOKではたくさんいらっしゃいます。

  • 外構事例
    建物に合わせ外構、植栽もシンメトリーに
  • 外構事例
    変形角地をポジティブに活用した庭

もともとシンプルさを身上とするBROOKですから、こうした考えのお客様が集まりやすいという一面もあるのかもしれません。

あ と が き

平屋の持つ絶妙なサイズ感は人間の等身大の感覚に近く、自分の家を完全に掌握できるような安心感もまた代え難い魅力となっているのかもしれません。
住居や暮らしに対する考え方は十人十色ですからこれが正解ということはないのですが、自分たちの望む暮らしとはどんなものか?という部分をじっくりと考えてみたときに、人間の感覚に正直な平屋建てがしっくり来るお客様も多いのかもしれませんね。

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AUTHOR:BROOK Inc.

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