#075

胆沢の家

平屋を踏襲した
ダイナミックなガレージハウス

Completion-Jun,2023

田園風景と里山が広がる郊外の大きな敷地に建つこちらの建物は、平屋をベースにしつつ将来の拡張性をふまえた設計の一部二階建てのBROOKです。
のどかな風景の中に建つこちらは立体感のあるフォルムと白い塗り壁が遠目からでもひとめでBROOKとわかるデザインが特徴です。

平屋ベースゆえ、生活のすべては1階で完結するような間取りになっており、1階が大きくゆったりと見えるデザインです。
ただ横に広がるだけでなく、段差のあるピロティやコンクリートデッキ、袖壁などが奥行き感とアシンメトリーな美しさを際立たせる外観に仕上がっています。

1階
リビングと寝室、機能的な水回り、それにガレージと趣味のスペース、さらに実用的な一体型カーポートを備えた、デザインもさることながら楽しさと美しさ、そして実用のバランスに優れた欲張りな1階です。

玄関を入るとL型の大きな土間が広がり、その視線の先にはお客様セレクトによるデザインの優れた薪ストーブが鎮座。

大土間のほぼすべての部分からアクセス可能な玄関は、自由な使い方を想像させてくれることでしょう。

玄関土間は二段階の高さに調整してありますから、使い方によっては土間をリビングの一部と捉えても楽しいかもしれませんね。

大きなリビングの窓からは土間越しに広々とした田園風景を望みながら、ゆったりと過ごせるように配慮しつつ、アイランドキッチンからも同じ景色を眺められる間取りにさせていただきました。

平屋ベースの建物ということもあり、一般的に1階の間取りはどうしても煩雑になりがちなのですが、BROOKではリビングスペースと洗濯や収納などの家事スペースをしっかりと分けることで、平屋ながら生活感を上手に隠したリビングにすることができました。

トイレと洗面まではお客様も使えるようにしてありますが、隣接するランドリールームから先の部分はドアで隔てられています。

そのプラベートゾーンの延長上にバスルームや収納、そして寝室とをまとめ、それらはリビングを一切通らずにアクセス可能な間取りとさせていただきました。

2階
大きな吹き抜けは入り組んだ梁も良きアクセントになり、1階と2階をゆるやかに繋げてくれます。
機能的な1階と対象的な2階は、ホールのみという割り切った間取りにしてあります。

これは将来の子供部屋にも対応できるようにあらかじめ様々な工夫が仕込まれていますが、当面はセカンドリビングやシアターコーナーとしての活用を楽しめるようにとご提案させていただきました。

日当たりの良い吹き抜けに設えたキャットウォークは、愛猫の憩いの場となってくれるかと思います。

そして、こちらの建物の特徴の一つに多機能ガレージがあります。

デザイン的にはいわゆる一体型のガレージハウスですが、このガレージは内部で二分割されており、通常の駐車スペースと釣りが趣味のご主人が使う専用シンクや製氷機などを備えた作業スペース、それに趣味専用の個室を備えたフル装備のとてもうらやましいガレージです。
夜討ち朝駆けが多い釣行ゆえ、就寝中の奥様の迷惑にならないようにとガレージは専用のエリアとして設計させていただきました。

今回はライフスタイルと趣味にこだわりの強いご夫婦ということもあり、とても楽しく打ち合わせが進みました。
どちらかといえばシンプルな間取りが多い印象のBROOKかもしれませんが、間取りをシンプルにしている理由は将来の拡張性や変化に対しての対応力を残してあるからなのです。
その余地をどのくらい将来に残しておくかはお客様との相談で決めてゆきます。

今回は暮らしや今後の生活スタイルが明確に示されたため、1階はきっちりと決め打ちした部分も多いのが特徴ですが、土間やリビング、そして2階に至ってはとてもおおらかに設計してあります。
どこまでをしっかりと作り込み、どの部分を自由にしておくかを悩むのもBROOKで間取りを考えるにあたっては重要なプロセスとも言えるでしょう。
この建物はそういった意味において、メリハリのあるバランスに優れた建物になったのではないでしょうか。ここから始まるBROOK LIFEを楽しみながら、末永く愛用していただければ幸いです。

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