コンセプト
今回の建築計画はオーナー様から素敵なお題を頂きながらスタートしました。「楢山地区の趣きのある街並みに寄り添い、古いものでも壊さずに出来るだけ活かしてゆきたい」と。
このため計画当初からガーデンデザイナー様とも密接に打合せをさせていただき、庭の見え方と外の空間にまで配慮した完成度の高い全体像を描きながらの建築計画となりました。
オーナー様とガーデンデザイナー様の意向により、もともと月極駐車場だった敷地の古いブロック塀やペンキのナンバー、時間の経過で味わいを増した古い土間コンクリートに至るまで徹底活用することになりました。
家を新しくする場合、単なる利己的なデザインではなく、周辺環境にも配慮したデザインもとても大切です。今回頂いたお題は、日頃BROOKが考える住宅デザインの在り方にもとても良くマッチした内容でした。
今回は特にオーナー様とガーデンデザイナー様との密接なやりとりと、そもそもの感性の共有が三者で出来た結果、とても素晴らしい共同作品に仕上がったと言えるでしょう。
外観デザイン
古い町並みに誕生した白塗りの切妻屋根が美しい総2階の家。
道路面から見えるファサードはあくまでもシンプル。
たったひとつだけの小さな窓と無機質な白いシャッターと好対照をなす、手仕事のぬくもりを感じられる素朴な白の塗り壁。もう一面は規則的に落ち着きを持って並べられた窓が整然として凛とした雰囲気に。裏に回れば開放感溢れるフルオープンサッシから庭へシームレスにアクセス可能な外部との一体感のある空間。
あっさりしたデザインながら、均整のとれた美しいプロポーションは道行く人が思わず足を止めてしまうほど。どなたにもおすすめできるベーシックなBROOKのニュートラルハウスと呼べるでしょう。
1F
この建物は1Fのフロアのほぼすべてがコンクリート土間仕上げの個性的な間取り。オフセットされた玄関から裏庭にまっすぐ向かう回廊のような空間はまるでギャラリーのよう。訪れたお客様の目を惹く、とても美しい空間に仕上がりました。
そして回廊の先には裏庭に面したフルオープンサッシを付けた土間リビング。こちらは、お気に入りのカフェの席で過ごすような非日常の空間を演出することが出来ました。
さらに、ファサードからアクセスできるガレージは単なるビルトインガレージではない多目的スペースとしての役割も。白塗りの無垢材の壁はガレージのクオリティを超えた素敵な仕上がりに。
ホームパーティなどでもオシャレに活用できる自由で開放的な空間です。
こちらの建物の土間仕上げは最近、BROOKのお客様の間で評判の良い人気の仕上げですが、ここまで徹底したことはありませんでした。オーナー様のセンスと暮らしに対する自信が作り上げた、個性的で思い切りの良い間取りです。
2F
こちらの建物は1Fを遊びの空間とし、2Fに生活の総てを凝縮した間取りになっています。このため、2Fはとても機能的にコンパクトにまとめ上げてあります。さながらリゾートホテルのような雰囲気。細かなディティールにもこだわり、建具も木製のドアをあえて白く塗りつぶし、把手もお客様と一緒に考えた特別仕様。そして、節と木目の表情が楽しい幅広のロッジポールパインの無垢床は、蜜蝋ワックスで仕上げたナチュラルテイスト。
壁も総てがクロスを使わない白塗り仕上げ。真っ白で柔らかな空間とナチュラルな床が織りなすハーモニーはとても優しい印象です。
今回、ガーデンデザインを担当いただいたのは「庭沐」(にわぼく)様。多岐にわたり実に的確なアドバイスを頂きました。卓越したシンプルデザインはBROOKの建物デザインとの相性も抜群でした。開業間もない会社ですが経験豊富な女性デザイナーが主宰する、とても信頼のおける会社だったことを付け加えずにはいられません。