シンプルを研ぎ澄ます
きれいに整備された新興住宅地に建つこちらの住宅は、大きさも手頃でとても暮らしやすいサイズ感。外観は白い塗り壁に、アライメントに配慮した窓、そして凸凹の少ないあっさりとした造形ですから、BROOKではスタンダードとも言えるデザインのお家です。
外観はあえて貼り分けなどのアクセントを避け、潔いデザインが信条のスッキリとした建物になりました。
シンプルな住宅が多いBROOKですが、こちらの住宅には更に研ぎ澄まされたような印象を持たれるのではないでしょうか。
アイランドキッチンを生活の中心に据えるということ
1階
今回は奥様のご要望でアイランド型のキッチンレイアウトを採用しました。そこで、こちらのプランではアイランドキッチンを主体とした1Fに工夫を凝らしてみました。
元来アイランド型のキッチンは海外の住宅のように、大きな面積のある家で活きるプランです。そのためコンパクトめの日本の住宅で採用すると、どうしてもリビングが狭く感じられてしまいがちです。今回の建物も海外の住宅ほど大きな面積ではありませんから、素直に作ると弊害も出てきそうな懸念もありました。
そのため、いろいろと工夫したご提案差し上げました。一見、地味ながら、暮せばメリットを感じられるプランにさせていただきました。
今回はキッチンを主体に1階の間取りを構築していったのですが、大切にしたかったことがいくつかあります。
- キッチンに立ったときに心地よさを感じてもらえるようにしたい。
- アイランドキッチンでもリビングの広さとつながりはしっかりと確保したい。
- アイランドキッチンが似合う家としての開放感はもちろん犠牲にしたくない。
上記の3点をクリアしたのが今回のプランです。
まずは、キッチンの正面に大開口のサッシを配置。キッチンに立ったとき、庭が広く眺められ、開放的で心地よい時間を過ごしてもらえるように配慮させていただきました。
そして、アイランド型のキッチンの場合、リビングに食い込む形での配置が一般的ですが、先にお話したように十分な面積がが取れない場合、リビングがどうしても狭く感じられてしまいがちです。
このため、今回のプランではメインのリビングをキッチンの横に配置することでその問題をクリアしています。そしてBROOKでよく見かける仕切のない玄関周りも開放感に一役買っています。あえて土間玄関を採用し、仕切りのない開放的な空間設計とゾーニングの工夫により、アイランドキッチンとコンパクトハウスという組み合わせからくる弱点を補っています。
土間といえばもちろんその活用も楽しいものですが、さらにリビングと玄関の境目をなくし、玄関とリビングが曖昧に溶け合うことで生まれる開放感もその特徴の一つ。
玄関横の壁面はアクセントカラーとして鮮やかなブルーを採用。
シンプルすぎるほどのデザインを逆に引き締めてくれます。玄関奥には使いやすい土間収納も完備。そして家の外から建物を正面から眺めたとき、大開口のサッシにかかるBROOKオリジナル鉄骨階段の存在も忘れることはできません。
デザイン上の理由であえて階段が窓にかかるこの選択をするお客様も多いようです。
時間軸にとらわれない可変性
2階
こちらのプランは実績の多い個室を極力作らず、子供部屋が必要になるまでは大きなホールでセカンドリビングとして活用できるという、BROOKでは一般的な間取りを採用しています。そしてこちらも最近BROOKでは、めっきり増えてきた2階にバス洗面室そしてランドリールームを設けたプランです。生活感として現れてしまう洗濯物が2階で全て片付きますから、美観を損ねる洗濯物がリビングに溢れ出ないようにするのもこのプランなら簡単です。
そしてこのセカンドリビングとして活用できる大きなホールは、お子様の成長に合わせて様々に変化する空間です。子供部屋になる時期もあれば、子供が巣立った後に必要とあらば夫婦のためのお部屋としても活用できますし、再び気持ちの良いホールに戻すことも可能です。
お子様が遊び盛りのときは様々なおもちゃが散らかりがちですが、お子様もこのホールで存分に遊ぶことができれば、1階へのおもちゃの流入も最小限で済みそうです。
つまり、1階部分はあまり散らからずに整頓された空間を維持しやすくなっているということです。
この可変性に富んだプランは、普通はあまり馴染みのないプランかもしれませんが、BROOKでは実は多くの採用例があるプランです、もちろん実際に住まわれたお客さにも好評です。
「暮らし」のための家として
暮らしを楽しむための家造りの秘訣は引き算にあるのではないか?というのはBROOKの持論ですが、こちらの研ぎ澄まされたシンプルな建物はまさにそれを実感できるように感じました。
暮らすために必要不可欠なものは一切我慢せずに快適な暮らしを目一杯享受しつつ、不要なものは徹底的に排除。そして後からどうなるかわからないことや迷っていることに関しては、必要に迫られたときに対応できるような配慮を設計段階から盛り込んでおきます。
この工夫があるからこそ家を効率的に使え、結果的にそれほど大きな家でなくとも豊かに楽しく暮らせるのではないでしょうか。
また、建物の内外ともにニュートラルなデザインゆえ、様々なインテリアにも親和性が高く、インテリアの好みの変化も充分に受け入れられる大きな器を持っています。
ですから住んでみて、もし、インテリアの好みが180度変わることがあったとしても安心です。
こんなBROOKなりの工夫の積み重ねでできた家だからこそ、長きにわたって愛着を持ちつつ、住み続けられる家ができるのではないかとあらためて感じました。