整然と整備された新規分譲の土地に建つ、シンプルさが際立つBROOKです。
こういった分譲地は人が住むための用途に特化して作られているため、一見、さしたる個性もなく面白みに欠けるイメージもあるかもしれませんが、実はとても住みやすい特性もあるのです。
こちらは程よい大きさで、必要にして充分なサイズ感の建物です。2階がせり出すようなイメージの外観に横使いのスリット窓が一つだけという、この分譲地でもっともシンプルなデザインの住宅に仕上がりました。
道路から緩やかなスロープで玄関まで繋がり、玄関先にある方形ピラミッドのような階段もささやかなアクセントになっています。
1階
いつもの木製ドアを開けると広い土間が左右に広がります。
あえてこの土間を楽しむため、思い切ってクローゼットは作らず、シューズボックスだけという潔よい玄関ですが、お陰でとてもリビングが開放的になりました。
玄関の真正面には少し奥行きのあるステンレスキッチン。
そしてキッチンの後壁はテクスチャーの効いたMORTEXという塗の素材で仕上げてあります。
キッチンの上には大きなランプが二個吊られています。
これは旧東ドイツなどの東欧諸国の工場で使われていた、本物のインダストリアルランプです。
これを模したデザインの照明器具は数多くありますが、やはり本物の迫力にはとても敵いません。
そしていつもよりダークトーンのオイルで仕上げた木部に合うように、ブラインドのカラーもあえて暗めのカラーを選択したことで、渋さが増しています。
2階
階段を上ると、シンメトリーな間取りの中心に位置づけられる大きなホールがスケールを超えたイメージを与えてくれます。
そして左右に振り分けたような寝室とバスルームがあります。
こういったホールは後に子供部屋に変化させることができる設計にしてあるのがBROOKでは一般的です。
そして使い勝手の良いランドリールーム一体型のバスルームも人気の組み合わせです。
寝室を作ってありますが、当面はホールのほうが気持ちがいいので、こちらのホールにベッドを置いて、リゾートホテルのように暮らす方もいらっしゃいます。
こちらはダークトーンとステンレスキッチンの調和が見事な印象です。
このように内装デザインそのものにキャラクターをつけすぎるとインテリアの幅が少し狭くなることも事実ですが、こちらの建物はそのバランスが絶妙という好結果を生み出した好例といえるかもしれません。
ダークトーンをお望みのお客さまと打ち合わせを重ねてどのあたりのバランス感で行くかを、慎重に吟味してまとまった寸止めの家の完成です。
今後、お施主様の手によりどのようなインテリアに仕立てていただくのかが楽しみな建物です。